観光客のいない静かな島の生活が続いているサイパン。海外からの国際路線は現在すべて運休中で、唯一、お隣の島グアムからユナイテッドの便が週3回飛んでいます。

北マリアナ諸島全体の感染者数は、8月28日現在、累計54人。その内、半数以上となる28人は島外からの渡航者で、空港の検疫で陽性が確認されました。つまり、残る26人が実質的な島内感染者数となります。

6月以降は新規感染者数が激減、今月になって久しぶりに2名の新規感染が確認されたため油断はできないものの拡大の予兆は今のところ起きていません。

北マリアナ政府は、3月以降、様々なコロナ対策を講じてきましたが、ここにきて観光客がいないこの時期を逆手にとり、観光面での改善を進める動きも見せています。

観光局主導のもと、政府・民間企業の力を借りて、バンザイクリフ、ラスト・コマンド・ポストと慰霊碑周辺、バードアイランド展望台、グロット、スーサイドクリフ、禁断の島展望台、オブジャンビーチ、ラッダービーチ、タポチョ山、そしてビーチロードパスウェイ等の約10ヶ所を視察・検査しています。階段の手摺りや柵の劣化具合といった安全面の確認や、外壁や案内板の塗装の剥がれ等、景観上のチェックが行なわれました。

今後は、具体的な予定が組まれ、数カ月をかけて補修工事が実施される予定です。コロナが落ち着き、観光が再開した暁には以前より綺麗になったサイパンになっているはずです。

悲しい戦争の記憶と平和の尊さを今に伝える大切な存在となっている、バンザイクリフ。

崖沿いに設置されている柵と案内のサイン。毎年日本から慰霊団が訪れ、清掃や法要も行なわれている。

ラストコマンドポストは、太平洋戦争時、日本軍最後の司令部があった場所。

実際に司令部があった崖と洞窟の部分にも入ることができる。

バードアイランドを一望できる展望台。

グロットへと続く116段の急な階段。コロナの影響もあり、現在は閉鎖されているが通常は利用者も多いため補修が大事な場所の一つ。

標高249メートルの断崖絶壁。バンザイクリフと同様に戦争中、多くの民間人がここから飛び降り自殺した悲劇の場所。山頂は、平和記念公園となっている。

山頂に設置された案内板。

自然保護区のため上陸できない禁断の島を眺める展望台。

ダイバーや観光客、ローカルにも愛されるオブジャンビーチ。

車寄せから歩いて下ってアクセスするラッダービーチの階段。

360度のパノラマビューで人気のタポチョ山。

朝夕は散歩やランニングで訪れる人も多いビーチロードパスウェイ。海沿いの美しい遊歩道も波の浸食や劣化がないかチェック。

(2020年8月28日)